アメリカンスクールやアメリカ系のインターナショナルスクールで導入されているAPことAdvanced Placement(アドバンスドプレースメント)テスト。アメリカンスクールの高校生が受けることができるちょっと特殊な授業で、より高度な教育を受けることができ、また進学にも有利になるシステムです。
この記事ではそんなAPの概要からAPテストの採点方法、対策方法などを、2021年に実際にAPを受験し合格した著者がご紹介します。
APは高校で大学レベルの授業を受講できる
AP(Advanced Placement)はアメリカンスクールの高校生が受けることができる、大学レベルの授業です。各教科ごとにAPが設定されていますが、提供されているAPコースは学校により異なります。
APコースの一覧は公式ウェブサイトをご覧ください。(外部リンク・英語)
教科ごとにAPコースにするか、通常の授業を受けるかを選択することができ、自分の好みや得意科目、進学先の大学の専攻などによって適切APコースを受験することが推奨されています。
また、APは「テストのみ」の受験も可能ですが、推奨されていません。アメリカンスクールでは1年をかけ、授業として選択したAPの科目を重点的に受講します。この授業はもちろん高校の単位として認められ、また一部では大学初年度の単位として認められる場合もあります。
よほど得意な科目や学校で提供されておらず、オンラインで自身で受講したという科目でなければ、テストのみの受験はお勧めできません。
APを大学初年度の単位として利用
APの単位は高校の単位のみならず、大学初年度の単位として認められる場合もあります。APコースを受講し、APで最低3点を取得していれば、アメリカの大学の多くでは大学初年度の単位として認められます。
初年度の大学での負担低減になる他、最初からより高度なレベルの授業を選択する事ができ、アメリカンスクールの学生にとってメリットの多いシステムの一つです。
各教科ごと、5点満点で採点
APテストは各教科ごとに受験します。APテストを複数受験する事も可能で、特に複数のAPコースを同時に受験することに対する制限はありません。自分の好みや進学先の大学に合わせた科目を受験しましょう。通常、多くても1年に2-3コースとする学生が多いです。
アメリカンスクールの高校は単位式授業となっていて、APコースはこれらの単位として認められます。APでは無い通常の高校生向けの授業の他にAPコースが設定されています。全ての科目でAPを取ってしまうと勉強量、作業量が多くなり大変です。APのみならずSATの受験やボランティア時間の獲得、卒業プロジェクト、卒業に必要な他の単位とのバランスも取りながら、カウンセラーと相談しながら慎重に選びましょう。
APは各科目ごとに5点満点で採点されます。3点以上で合格、4点で優秀、5点が満点となります。大学に単位として認められるのは大学により、3点や4点からとなっています。
APのテストは認定テストセンターで受けられます
実際にAPテストを受験するには、公式サイトから予約し、認定テストセンター(多くの場合はアメリカ系のインターナショナルスクールのキャンパスです)に行きます。College Boardの公式ウェブサイトから予約をし、指定された日にテストセンターへ行く必要があります。
多くの学生が受験している他、認定されているテストセンターが限られているので、すでに対策、受講をしているのであれば予約が開始されたら早めに登録したほうが良いです。アジアではテストセンターが限られているため、韓国や中国の学生は日本やシンガポール、マレーシアへ渡航しテストを受講している学生も多く存在します。
ご自身が通われている学校で受講できる場合は、担当の教師に確認し、早めに予約を取りましょう。
APの対策方法
APの1番の対策は、APを教えている教師の授業を受講する事ですが、学生自身での対策も可能です。APテストの過去問題は公開されているので、それらをダウンロードし解いてみるのも一つの手法です。
過去問題から傾向を掴むことで、効率的に勉強する事が出来ます。
Googleで受験する予定のAPコースの名前「+ Past Questions」と入力すれば、上の方に公式の過去問題集が検索ヒットします。
例えば、AP Calculus の過去問題はこちらのページに記載されています。(外部リンク・英語)
またCollage Boardに認定されているオンライン学習ツールとして、Khan Academyが各APコースの学習コースを提供しています。全てのAPコースではありませんが、主要なコースは殆ど収録されているので、覗いてみてください。
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