2025年12月、クアラルンプールとジョホールバルをつなぐ高速鉄道(ETS・Electric Train Service)がついに開通しました。これまでの在来線ディーゼル列車では片道7時間近くかかっていたこの区間が、わずか4時間〜4時間半に短縮されたのです。
バスや飛行機に並ぶ新たな移動手段として、マレーシア在住者にとっても旅行者にとっても注目度の高いこの路線。この記事では、実際に利用する際に役立つ情報を料金・時刻表・予約方法・乗り方まで一通りまとめています。
クアラルンプール・ジョホールバル間に鉄道が開通|なにが変わったのか

これまでクアラルンプールからジョホールバルへ電車で向かうには、ディーゼル列車で7時間近くかけるか、バスや飛行機を選ぶしかありませんでした。
それが2025年12月12日、KTMBが運営するETS(Electric Train Service)がKLセントラル〜JBセントラル間で正式に開通したことで、状況が一変しました。
この路線は「ゲマス〜ジョホールバル電化複線プロジェクト(EDTP)」の完成によって実現したもので、総工費はRM95億規模の大型インフラ事業です。マレーシアのスルタン・イブラヒム国王とアンワル首相が開通式に出席したことからも、国家的な一大プロジェクトであることが伝わってきます。
所要時間はおよそ4時間〜4時間半。飛行機ほどではないものの、渋滞の影響を受けず、駅から乗るだけというシンプルさは、移動の選択肢として十分に魅力的です。
クアラルンプール・ジョホールバルのETS(ETS3)の基本情報

電車の所要時間・運行本数
開業当初は1日4本からスタートしましたが、需要の高さを受けて便数は段階的に拡大。2026年2月時点では、KLセントラル発で1日7便が設定されています。将来的には最大1日12便体制になる見込みです。
所要時間はおよそ4時間10分〜4時間40分。プラチナムサービスは一部の小駅を通過するため、やや短い時間で到着します。
停車駅

KLセントラルを出発し、バンダル・タシック・セラタン、セレンバン、ゲマス、セガマット、クルアン、クライ、ケンパス・バルなど、最大16駅に停車しながら南下していきます。マレー半島の西海岸を縦断する形のルートで、車窓からはパームオイルのプランテーションや緑豊かな景色が続きます。
車内設備

使用されているETS3(KTM 94クラスEMU)は、6両編成で定員312名。スタンダードクラス5両+ビジネスクラス1両という構成です。
車内にはUSBチャージングポート、トイレ、カフェテリアカウンターが備わっており、4時間超の長旅でも不便は感じにくい設計になっています。Wi-Fiも少し不安定ですが利用可能です。
ひとつ注意したいのが車内温度です。エアコンの設定が非常に低く、16〜20℃前後になることがよくあります。 外の気候とは大違いなので、上着・長ズボン・靴下など防寒対策を忘れずに持参してください。
料金(クラス別)|スタンダード・ビジネスの違いは?
ETS KL〜JBの片道料金は、クラスと便の種類によって異なります。
| クラス | 料金目安(片道) |
|---|---|
| スタンダードクラス(Gold) | RM73〜 |
| プラチナム・スタンダード | RM96〜109 |
| ビジネスクラス | RM152〜 |
スタンダードクラスは2+2の座席配置で、リクライニング・フットレスト・テーブルが備わっています。コスパは十分高く、4時間程度の移動であれば快適に過ごせます。
ビジネスクラスはさらに上質で、1+2のゆったりした座席・個人エンタメシステム・軽食(コーヒー・マフィン・スナックなど)が提供されます。KLセントラルでは、プラットフォーム2階にある**「Rubyラウンジ」**への入室も可能。乗車前に落ち着いた空間でくつろげるのは、出張利用者にとって特に嬉しいポイントです。
料金は時期や便によって若干変動します。最新の料金はKTMB公式サイトで確認してください。
時刻表(2026年最新)|何時に乗れる?
現在、KLセントラル発〜JBセントラル行きの便は朝〜夜にかけて複数設定されています。早朝便・夕方便・夜便と時間帯の選択肢があるので、日帰り出張にも対応しやすいです。
最新の時刻表はKTMB公式サイト(ktmb.com.my)でご確認ください。 便数・時刻は今後も変更される可能性があります。記事では執筆時点(2026年4月)の情報をもとにしています。
JBセントラル発〜KLセントラル行きも同様に複数便が設定されており、JB在住者がKLへ日帰りで出かけるパターンにも対応しています。
チケット予約方法|KTMB公式サイト・アプリからかんたんに購入
チケットはいくつかの方法で購入できます。
①KTMB公式ウェブサイト(おすすめ)
ktmb.com.my からオンライン予約が可能です。座席の位置を選べるほか、隣の席の乗客の性別まで確認できる機能があります。支払いはクレジットカードやTouch ‘n Go電子ウォレットに対応。最大30日前から予約できます。
②KiTS Styleアプリ(iOS / Android)
スマートフォンからの予約はKiTS Styleアプリが便利です。QRコードのeチケットが発行されるため、紙のチケットを印刷する手間がありません。ただし、アプリ自体のレビューはやや低評価が多いため、操作が難しければウェブサイト経由が無難です。
③駅の窓口・自動券売機
当日に窓口や自動券売機でも購入できますが、週末・祝日前後は満席になることが多く、数日前には売り切れるケースもあります。確実に乗りたい日程がある場合は、1〜2週間前のオンライン予約を強くおすすめします。
乗り方・当日の流れ
実際の乗り方の流れをざっくりまとめます。
1. KLセントラルへ向かう KLセントラルはKL市内のLRT・MRT・KTMコミューター・KLIA Expressが集結する巨大なターミナル駅です。KL市内各所からのアクセスは良好です。
2. 出発30〜45分前には到着しておく プラットフォームの確認やラウンジの利用(ビジネスクラスの場合)のため、余裕をもって行動しましょう。
3. 乗車・車内で過ごす eチケットのQRコードを改札でスキャンして乗車します。座席は指定席なので、自分の席に座れば安心です。途中、カフェテリアカウンターで軽食や飲み物を購入することもできます。
4. JBセントラル到着後 JBセントラルはジョホールバル市街地の中心に位置しており、そのままGrabやタクシーで市内各所へ移動できます。シンガポール方面へ向かう場合はイミグレーション(CIQ)へ向かいますが、時間帯によって通過に30分〜2時間かかることもあるため、余裕を見た行動計画を立ててください。
他の移動手段との比較|バス・飛行機・車とどう違う?
ETS開通によって、KL〜JBの移動手段は以下の4択になりました。
| 移動手段 | 所要時間の目安 | 料金目安(片道) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ETS電車 | 約4〜4.5時間 | RM73〜 | 快適・渋滞なし・市街地直結 |
| バス | 約5時間(渋滞次第) | RM20〜50 | 最安値・本数多い |
| 飛行機 | フライト約1時間(移動込みで3〜4時間) | RM50〜100 | 速いが空港移動が必要 |
| 自家用車 | 約3.5〜4時間 | RM30〜40(高速代)+ガソリン | 自由度高いが運転の疲れあり |
ETSの最大の強みは「渋滞の影響を受けない安定した所要時間」と「市街地(KLセントラル)から直接乗れる利便性」です。飛行機は速いように見えて、空港までの移動・チェックイン・手荷物引き取りを加えると、トータル時間ではETSと大差なくなることもあります。
コストを最優先にするならバス、自由に動きたいなら自家用車、快適に移動したいならETSという選び方になりそうです。
まとめ|KL〜JBの移動にETSは「アリ」か?
結論として、ETS(電車)はKL〜JB間の移動において十分に実用的な選択肢です。
車内が快適で、渋滞を気にせず時間が読める点は、出張利用者にとって特に大きなメリット。料金もバスと比べれば高めですが、飛行機よりは安く、移動のストレスが大幅に減ることを考えれば納得できる水準です。
週末や連休前後は席が埋まりやすいため、乗車予定日が決まったら早めにKTMB公式サイトから予約するのが鉄則です。JBに住んでいる方も、KLへの日帰りプランがぐっと立てやすくなりました。
ぜひ一度、ETSでの移動を体験してみてください。
キャプチャープロジェクト|マレーシア情報生活メディアをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント